抜き加工
抜き加工とは、抜き型(以下、型)を加工対象素材に押し当てる事で素材を様々な形状にカットする加工です。
スリット加工や断裁加工と違い曲線や歪な形状、穴を開ける等、様々な仕上げが可能となります。
弊社では「5G」「EV化」などに関連する電子分野や車載分野への対応から、「脱プラ」「脱炭素」に関連して要求される各種素材、またその他にも医療分野や雑貨・日用品分野など様々な業界に対応する取り組みを行っております。
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抜き加工の方法
加工方法としては主に2つあります。
(1)型と真っ直ぐな土台の間で材料を挟み込んで抜く方法
エッチング型:型材の不要部分を溶かし、残った部分でベース部分と刃物部分を作る。
トムソン型:木材や樹脂などの板材にレーザーで溝を作り、その溝に刃物を埋め込む。
彫刻型:金属の塊を切削等で削り出してベース部分と刃物部分を作るこれらの型では素材の厚み方向に対して全層をカットするフルカットと
2層以上の構造素材においてカットしたい層だけをカットするハーフカットが可能です。(2)型と型で材料を挟み込んで抜く方法
パンチ(突起)とダイ(穴)からなる金型が用いられます。
片方のベース材に突起を造り、もう一方のベース材にはその突起と同形状の穴を開けてその2つの型で上下から素材を挟む(ダイ型は固定、パンチ型が上下に動く)事で素材を加工する事が出来ます。金型ではハーフカットは出来ない為、フルカットのみです。型にはそれぞれメリット・デメリットがあるので加工する材料・厚み・サイズ・形状・寸法精度・加工設備・抜いた後の製品や抜きカスの取り出し・ロットなどの条件によって使用する型の選定、型の材質、刃先の角度等も変更します。また違う種類の型を組み合わせてそれぞれの型のメリットを融合させた物を用いる事や1回(1工程)の抜きで成立しない仕様の製品は何回(何工程)も経て完成させる事もあります。
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弊社での抜き加工
弊社ではロール材及びシート材への抜き加工が可能です。
また加工環境は一般環境とクリーンルームがあり加工する素材によって使い分けしております。パターン1(ロール状での加工)
加工対象の材料をロールの状態で機械(繰り出し軸)にセットします。
材料を繰り出して行きプレスユニットで抜き型により抜き加工を行います。
抜いた後は再度巻き取るロール仕上げとカットするシート仕上げを選択できます。
1工程で完結しない製品の場合はロール仕上げした物を再度元の繰り出し軸にセットして型を付け替えて別の加工を加えて行く事も可能で、その繰り返しは製品実現に対して必要な工程数分、何度も行う事もあります。
またプレスユニットの前後で複数の材料をセットしたり巻き取ったりする事も可能ですので様々な材料を組み合わせて抜き加工したり、不要な材料を剥がして巻き取る事も可能ですので製品としては1層構造の物もあれば4層、5層と複層構造の物もあります。パターン2(シート状での加工)
加工対象の材料をシートの状態で機械(テーブル)にセットします。
材料を載せたテーブルがスライドしてセットされている型の下に滑り込みます。
その後、型が下降・上昇して抜き加工が行われ、テーブルがスライドして戻って来る加工です。1枚の材料から製品を1つだけ取る事もあれば何個も何十個も取る事(多丁取り)もあります。その場合には多丁取りの型を作り加工する場合と1丁取りの型で1枚の材料に対して位置をずらしながら何度も何度もプレスして加工する場合があります。
製品の品質と型の費用・生産性(製品コスト)を考慮しながら選択する事になります。
パターン1と違い材料を貼ったり、剥がしたりする機構はありませんので必要な場合は前後工程での対応となります。
また弊社にはCCDカメラで画像認識して抜き加工が出来る設備が御座います。
材料に印刷やパターン等があり、それらに対して特定の位置を抜きたい場合に使用します。
画像認識付プレス加工 | 画像認識付プレス加工 128 |
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連続プレス加工、シール加工 | |
単発プレス加工 | |
トムソン | トムソン 85 |